フェロモンの効果

フェロモンと聞いて、真っ先にどんなものが思い浮かぶでしょうか。
人に限っての話なのか、或いは生物全般を含めた話なのかによってフェロモンの指すものが違ってくるのかもしれません。
意味そのものを考えるなら両者に決定的な違いはありませんが、フェロモンの働きには大きな違いがあるでしょう。
アリが道に迷わないのは道標フェロモンによる効果が大きいのですが、人間にその機能はありませんね。
フェロモンの効果は自分以外の相手に何かを伝えるためのものであり、一種の情報伝達と言えるでしょう。
俗にいう色っぽさ表す言葉として、フェロモンが用いられる事もありますね。

フェロモンの効果が色っぽさを体現しているなら、どこか艶かしい香りがするのだろうという考えに至るのは普通の事です。
女性から放たれる甘い香りが好きという男性は、少なくないでしょう。
ただ、それの正体がフェロモンかと言われると少し疑問が残ります。
効果的にはフェロモンのそれと一致しているのですが、香りという部分においては特徴が異なります。
そもそも、フェロモンに匂いは付いていないのです。
それでもフェロモンの強く発せられている相手を無意識に選ぶという研究結果から、異性を惹き付ける効果が実証されています。
つまりどういう事かというと、嗅覚以外の方法によって人がフェロモンを感じ取っているという事になります。
匂いがしないから無駄なんて事はなく、フェロモンが発せられている時点で効果は得られているのです。
異性を頭で考え容姿や性格から選択するように、フェロモンからも本能的に選択する事があるのです。
割合で言えば、フェロモンの方が効果としてはより強力かもしれません。
フェロモンの発生が積極的な方と消極的な方が並べば、かなりの違いが見えてくるのではないでしょうか。
そんな時の助け舟として期待されているのが、フェロモン入りを謳う商品です。
実際にどの程度の効果があるかは、検証をすれば見えてきそうですね。
フェロモン入の香水に関して、匂いが直接作用するものでない事は既に把握しています。
それでも香水という手段によってフェロモンが用意された背景には、触媒的な効果を期待した上でしょうか。