子宮体癌の手術

子宮体癌の手術は、もちろん癌細胞の摘出が第一の目的ですが、他にも手術には、腫瘍の広がりを診断する目的もあります。
そのため、子宮体癌の手術では、子宮とともに、卵巣・卵管までを完全に切除します。
所謂子宮全摘という形で、その後、骨盤からリンパ節郭清、そして、腹腔洗浄し、細胞診をするのが標準的な流れです。
子宮周辺のリンパ節である骨盤内のリンパ節は、最初に発症した子宮体癌の広がりを確認するために摘出するのです。
腹腔内の癌細胞の有無を検査する細胞診も同様、癌の広がりを確認するために行われます。
ただし、レベル0と呼ばれる本当の初期段階の子宮体癌の手術であれば、子宮と卵管、卵巣を取り除くだけで終わる場合が殆どだそうです。
それでも、再発のリスクは5パーセント未満で、5年生存率は98パーセントを超えると言うのですから、いかに早期発見が大事かという事ですよね。
逆に、レベル3を超える子宮体癌の手術では、多臓器などへの転移もあるため、開腹時に肉眼で確認出来る癌細胞は全て切除されます。
子宮体癌の手術によって、その後、日常生活に何らかの支障を来す人は、大抵レベル3以上の患者さんだと言われています。

子宮体癌は手術さえすれば治る確率の非常に高い癌ですが、手術なくして治癒はないとも言われています。
実際には、ホルモン療法という子宮を温存する治療法で克服される子宮体癌もあるにはありますが、ごく僅かみたいですね。
また、ホルモン療法での治療は、再発の可能性もとても高いと言われています。
ただし、他の疾病や年齢などとの関係上、どうしても子宮体癌の手術が出来ない患者さんもいます。
そういう場合は、放射線治療抗癌剤を使った化学療法になる訳ですが、これも、手術と同様か、もしくはそれ以上に後遺症の残る施術です。
ただ、末期の子宮体癌になると、前進への転移も見受けられ、手術をしても意味がないという判断が下され、あえて、放射線治療や化学療法が取られます。
ですから、医師に手術を勧められたら、まだ十分に治癒する可能性があると考えていいでしょう。
とは言っても、子宮の全摘が絶対条件である子宮体癌の手術は、女性にとっては、辛く悲しいものですよね。

子宮体癌に見舞われる日本人は、そう多くはないと言われていましたが、昨今、日本でも子宮体癌は確実に増加しています。
そして、特に、これまでにはほぼ無関係に近かった若い世代での子宮体癌患者が着実に増えているのです。
それもかなり急速なうなぎ登り状態で、これまで子宮癌の8割を閉めていた子宮頸癌に、追いつけ追い越せの勢いです。
と言うのも、子宮体癌はホルモンバランスの崩れが引き金になる事が多く、今の日本女性のライフスタイルを見ると、典型的現代病とも言えるのです。
晩婚化による少子化、食生活の欧米化、放っておいてもたまるストレスや疲労など。
これらは全て女性ホルモンのバランスを乱し、子宮体癌の要因へと発展します。
事実、アメリカでは、昔から子宮頸癌以上に多い婦人病の代表格でした。
こういう話を聞くと、子宮体癌という疾病に関心を持たざるを得なくなりますよね。