扶養家族と別居

別居まできたら離婚は目前、と思われるかもしれませんが、事はそう単純な話では済みません。
確かに別居してから離婚という流れは簡単にイメージ出来るのですが、それは原因次第とも言えるのです。
完全に二人が婚姻関係の破綻を意識していて離婚を見据えているのでれば、別居によってそれが証明される事になります。
ただ、そうではなく婚姻関係の継続を目指した上での別居となると、捉え方が少し異なります。
同じ別居という状態でも捉えられ方が正反対となるため、常に現在の状態を正しく把握しておく必要があります。
言い換えてみると、特に険悪な状態ではなかったとしても別居状態が長期間も続いてしまえば、婚姻関係は破綻していると捉えられてしまうのです。
それまでは同じ環境で暮らしていた二人が、何らかの事情によって離れ離れになれば別居という関係は成立するでしょう。

別居というと、安直に夫婦間の問題とばかり思いがちかもしれませんが、言葉の意味としてはいろいろな想定がされます。
税金の負担を減らす目的から、親を扶養家族に含めようとする行動が見られます。
扶養控除の考え自体は合法的なもので、何ら問題はないのですが、問題となるのは別居状態でという事です。
別居しているのに扶養控除を受けられるかというのは、何とも微妙なラインと言えるのではないでしょうか。
結論だけを言ってしまえば、たとえ別居している親だろうと、条件さえ満たせば扶養家族として扶養控除を受ける事は可能です。
もちろん条件という部分がポイントになってくるので、全てのケースで別居していても扶養家族に含まれるとは限りません。
具体的には収入などが重要になってくるので、別居している親の扶養家族を狙って調整するという事がしばしば見られます。

別居という言葉だけを拾い上げてみれば、それは特異なものに見えるかもしれません。
ただ、現代において大家族で暮らすという生活スタイルは構築しにくいものです。
そもそも、扶養家族という点に注目しないのであれば、親を対象にして別居とは言わないのかもしれません。
あるいは独立と称し、それを自然なものと認識しているかもしれません。
夫婦間における別居ですが、単身赴任のようなケースはもちろん例外的なものとして除外されます。
あくまで夫婦間の問題によって起きた別居が、離婚へと発展する可能性を持っているのです。

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