指輪サイズの直径

直径を測って円周を弾き出す事は十分可能でしょうけれど、実際問題、これにはいくつかの問題点がありますよね。
まず、これは指輪サイズに限った事ではありませんが、私たちが子供の頃には、円周率は3.14と教わりました。
従って、直径×3.14で円周が出る事になり、直径16粍の10号サイズの指輪の円周は50.24粍となる訳です。
ところが、今は円周率は小数点以下を切り捨てる3という形で教えますから、例え直径は同じでも、指輪サイズの決め手となる円周は大幅に変わってきます。
因みに、円周率を3として計算すると、直径16粍の10号の指輪の円周は48粍。
そう、私たちが子供の頃と指輪サイズは同じのはずなのに、2粍以上もちっちゃな指輪という事になってしまうんです。

指輪サイズは直径で単純に計算しては絶対にNGだと言われる理由は、円周率の差以外にもいくつかあります。
まず、確実にその指輪の直径が正確に測れるのかどうか、これ自体が問題でしょう。
ちょっとでもずれれば容易に指輪サイズは1ランク大きくなったり小さくなったりしてしまいます。
そもそも、先に例に出した10号サイズの指輪ですが、円周率を今時の3で直径を掛け合わせるという計算をしてしまうと円周の長さは48粍。
これって、実は実は、指輪サイズでいうと、2周りも小さい8号サイズになってしまうんです。
もっとも、円周率を嘗ての3.14として直径を掛け合わせると、それほど大きな問題はないんですけどね。
ようするに、単に直径掛ける円周率という計算方法では、こんなにも容易にサイズが変わってしまうという事を知っておいていただきたいのです。
そして、少なくとも、手持ちの指輪の直径ではなく、きちんと自分の指周りを測って指輪サイズを決めていただきたいという事です。

指輪サイズはやはり直径だの内周だのと言わず、店頭できちんとリングゲージを使って測ってもらうのが一番。
それに、デザインや素材によっても付け心地が変わって来ますから、出来る事なら、きちんと試着されてから購入される方がいいでしょう。
少なくとも、直径から指輪サイズを弾き出すという事だけは控えた方がいいだろうと思います。
でも、手持ちの指輪の直径から円周を弾き出して遊ぶというのも、暇つぶしとしては面白いかも知れませんよね。